本社の男

バーゲン中のショップでコートを物色していた時のこと。

「身につけていらっしゃるミント色のストール
良くお似合いですね。」
と声をかけられる。
振り返ると20代半ばぐらい、やや小栗旬似の男子。
そのショップの店員でした。

ひさしぶりに若い男子に声をかけられ
さらにほめられた。
頬くれないに染まりつつもテンション上昇!
その後彼は普段はどんなスタイルが多いのか、
どんな色が好きなのか、といったことを聞いてきました。
ああ、なんだか口説かれているような気分。

私がコートを探していると告げると
ようやく店のラインラップを紹介。
そして私の要望にぴったりマッチしたコートを
選んでくれたのだったぁ!

すごいね。これぞ、カリスマ店員。
いつもなら柳原可奈子がごとく
商品のうんちくばかりで辟易するところなのに
久しぶりに気持ちよく買い物できました。

会計の時、カリスマ男子店員に
「女性物の店に男性の店員さんって
めずらしいですよね。」
なんて言ったら
「ボク、東京の本社の人間なんです。
新潟って寒いですね。冷え性なんです・・・フッ。」

東京・本社勤め・20代半ば・小栗旬似・虚弱。
昭和40年代生まれのおばちゃんには
魅力的なアイテムが満載だわー。
また利用させていただくわー。

2週間後、期待を胸に再びショップを訪れたら
すでに彼の姿は無く・・・。

しょせん彼は本社の男。